大判例

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東京地方裁判所 昭和40年(ワ)9096号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕もつとも被告は免責を主張するけれども、<証拠>によれば、事故現場の道路幅員は約二、五米、被告車の幅員は約一米強であること、当時鈴木は被告車を運転して、その道路を要町小学校方面から南板橋方面に向け時速約三〇キロ位をもつて進行していたが、事故現場の稍手前道路左側にある電柱付近に対向して進んでくる歩行者を発見し、進路を稍道路中央寄りに取つたところ、その個所はたまたま右側が富士神社境内への出入口に接していて、しかも要町小学校方面から進行して来た場合、富士神社境内への見通しのきかないところであつたから、その出入口から出て来た原告義和を車の直前に来たところではじめて発見し、ハンドルを左一杯に切つたが避け切れず、冒頭認定のように車右前部付近を同原告に接触転倒させるに至つたことが認められる。

以上の事実からすると、特に右のような狭い道路において被告車を進行させ、しかも見通しの悪い神社境内出入口付近を通過するに際しては、運転者である鈴木としては速度を落して徐行すべきはもちろん、右前方富士神社境内への出入口付近を十分注視して、そこから道路に出てくる他人に危険を及ぼすことのないよう十分の注意をする義務があるのに、これを怠つた過失があり、それによつて本件事故を惹起したと認めるべきである。よつて免責の抗弁は理由がない。(吉岡進)

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